アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

アメリカ成長株投資に興味のある方はこちらへ

アメリカ成長株:プラクシス・プレシジョン・メディシンズ(Praxis Precision Medicines):本態性振戦の新薬を開発

アメリカ バイオ ヘルスケア・バイオ
アメリカ成長株 バイオ関連銘柄

アメリカ成長株: プラクシス・プレシジョン・メディシンズ(Praxis Precision Medicines)の概要

プラクシス・プレシジョン・メディシンズ
Praxis Precision Medicines Inc
ティッカーコード:PRAX
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/PRAX/performance

プラクシス・プレシジョン・メディシンズ社は神経系の興奮・抑制の不均衡を特徴とする中枢神経系疾患、特に遺伝性てんかんに対する治療法を開発しています。
遺伝性てんかんは遺伝子変異が原因で、発達遅延や重度の発作を引き起こし、人生を大きく左右する深刻な病です。

体を動かす命令は、ナトリウムやカルシウムを神経細胞の内外に出し入れする“イオンチャネル”というタンパク質によって電気的な信号へと変換され、この信号が神経細胞を伝わり、最終的に筋肉に到達します。

同社は遺伝性てんかんを“イオンチャネル異常による興奮性過剰・抑制不足”という共通の原因にある疾患と定義し、この回路異常を精密に是正することを目指しています。

具体的には、CerebrumとSolidusという2つのプラットフォームで開発を進めています。

Cerebrum(低分子プラットフォーム)
・神経細胞の興奮性やネットワークに関する深い理解に基づき、計算ツールや実験ツールを駆使して、経口投与可能な低分子医薬品を開発。
・低分子医薬品はタンパク質でできた抗体のような巨大分子とは異なり、化学構造が単純で非常に小さいため、細胞膜を容易に通過して細胞内に入り込んだり、血液脳関門を越えて脳内の標的に到達したりすることが可能。
・この特性により、脳内の神経細胞にあるイオンチャネルなどに直接作用し、神経活動の過剰な興奮をコントロールすることが可能。
・安定で保存が容易であるため、錠剤の形で提供することで、患者の負担を大幅に低減できるメリットがある。

Solidus(ASOプラットフォーム)
・独自の計算手法によるアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の精密な創薬・開発エンジン。
・アンチセンスヌクレオチドは、標的のタンパク質の設計図をコードしたメッセンジャーRNAの配列に対して相補的に結合するように設計された短い核酸断片。
・標的となるメッセンジャーRNAに結合することで、疾患の原因となる特定のタンパク質の産生を抑制したり、RNAの編集プロセスを調整してタンパク質の機能を正常化したりできる。
・独自の計算アルゴリズムによって効率的かつ標的選択性の高いASOを設計・開発できる。

現在、これらのプラットフォームによって開発されている主な治療薬候補は以下の4つです。

1.Ulixacaltamide(低分子プラットフォーム)
・本態性振戦:自分の意思に反して手や腕、頭などが細かく震える、最も一般的な運動障害の一つ。
・T型カルシウムチャネル調整剤。
・本態性振戦の原因となる異常なカルシウムチャネルの活動を精密に抑制し、震えの回路を正常化することを目指す。
・第3相臨床試験が完了。

2.Vormatrigine(低分子プラットフォーム)
・全般てんかん:てんかんの中でも一般的な形態であり、発作が脳の一部または広範囲から始まるもの。
・ナトリウムチャネル調整剤。
・既存の抗てんかん薬では発作が抑制されない、あるいは副作用で服用継続が困難な患者(米国で約350万人)に対し、「副作用が少なく、迅速かつ持続的な効果を持つ」治療薬となることを狙う。
・第2および3相臨床試験段階にある。

3.Relutrigine(低分子プラットフォーム)
・希少てんかん(DEE):乳幼児期から発症する重度の発作と発達遅滞を特徴とする一群の重症なてんかん症候群。
・小児向けに最適化されたナトリウムチャネル調整剤。
・正常な神経機能を維持する電気信号は残しつつ、発作を引き起こす“過剰に活性化したナトリウムチャネル”のみを選択的に阻害することで、高い有効性と優れた安全性を両立させることを目指す。
・第2相臨床試験段階にある。

4.Elsunersen(ASOプラットフォーム)
・SCN2A GoF変異:遺伝子の変異によりナトリウムチャネルが過剰に活性化し、てんかんを引き起こす遺伝性の希少てんかん。
・SCN2A遺伝子の発現を精密に減少させるASO薬。
・遺伝子の異常によって過剰に作られるナトリウムチャネルの設計図であるメッセンジャーRNAを分解し、チャネルの数自体を減らすことで病態の根本的な改善を目指す。
・第1および2相臨床試験段階にある。

ASOプラットフォームの開発薬は、その他にもPRAX-080、PRAX-090、PRAX-100がありますが、まだ前臨床試験(動物・細胞を用いた安全性・有効性実験)の段階にあります。
臨床試験が進んでいて最も有望と考えられるUlixacaltamideは、本態性振戦を対象とした第3相試験において、主要評価項目を達成した世界初の薬剤となりました。

現在、本態性振戦の治療に一般的に使われている薬(プロプラノロールやプリミドンなど)は、50年以上前に承認されたもので、現代のような厳格な臨床試験を経ておらず、今の基準の主要評価項目をクリアできていません。
過去数十年、多くの製薬会社が本態性振戦の新薬開発に挑み、第2相試験まではうまくいっても、第3相試験(最終段階)で主要評価項目を達成できずに失敗に終わるというケースが続いてきました。

同社のUlixacaltamideは、過去に失敗した他社の候補薬とは異なる“T型カルシウムチャネル阻害”という新しいメカニズムを用いたことで、史上初めて主要評価項目において成功を収めました。
2025年第4四半期には、FDA(米国食品医薬品局)との承認申請前会議の予定で、承認に向けた重要なステップを踏み出しており、本態性振戦に特化して開発された初の承認薬としての実用化に大きな期待が寄せられています。

会社ウェブサイト
https://praxismedicines.com/

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました