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アメリカ成長株:スプリングワークス・セラピューティクス(SpringWorks) : デスモイド腫瘍などの重度希少疾患のための治療薬を開発

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アメリカ(米国)成長株:スプリングワークス・セラピューティクス(SpringWorks)のアップデート

スプリングワークス・セラピューティクス
SpringWorks Therapeutics Inc
ティッカーコード:SWTX
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/SWTX

以前紹介したスプリングワークス・セラピューティクス社(参照→ スプリングワークス・セラピューティクス社の概要)は、デスモイド腫瘍という希少疾患の治療薬であるニロガセスタットを開発していていますが、それとは別に他剤との併用療法の治験も始まっているので今回はこちらの方を解説したいと思います。

ニロガセスタットはデスモイド腫瘍の細胞増殖に関わるガンマセクレターゼというタンパク質分解酵素の働きを抑える阻害剤です。

現在臨床試験の最終段階にあり、腫瘍細胞の増殖を抑える効果が認められる結果が出ているようで承認の期待が高まっています。

また、ニロガセスタットの標的であるガンマセクレターゼには別の働きもあって、多発性骨髄腫の細胞表面に多く存在するBCMAというタンパク質を分解します。

BCMAは多発性骨髄腫の抗体薬のターゲットとなっていて、BCMAに結合する抗体に抗ガン剤を運ばせたり、免疫細胞を呼んで攻撃させたりする目印となるものです。

ところがガンマセクレターゼによってBCMAが分解されると目印が減ることになり、抗体薬の効果が下がってしまいます。ガンマセクレターゼ阻害剤であるニロガセスタットは、この分解を防ぐことでBCMA標的療法を増強することが可能です。

現在、ニロガセスタットと以下の8つのBCMA抗体薬(いずれも多発性骨髄腫治療薬)を併用する臨床試験がそれぞれ進行中です。
・GSK社のBLENREP
・ヤンセン社のテクリスタマブ
・ファイザー社のエラナタマブ
・ニコレイン社のALLO-715
・PrecisionBiosciences社のPBCAR269A
・Seagen社のSEA-BCMA
・AbbVie社のABBV-383
・Regeneron社のREGN5458

デスモイド腫瘍は希少疾病であるため比較的に小さい市場ですが、多発性骨髄腫は米国で2番目に多い血液のガンで約13万人の患者がいます。市場規模の大きさで見ると多発性骨髄腫治療の併用療法の方が本命との見方もあります。

どれもまだ臨床試験の初期段階にありますが、これだけ多くの他社とのコラボレーションが実現しているのは、BCMA抗体薬の補助薬としてのニロガセスタットの有用性が認められているからであり、今後の臨床試験の結果にも期待ができるのではないでしょうか。

会社ウェブサイト
www.springworkstx.com

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