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アメリカ成長株:インテリア・セラピューティクス(Intellia Therapeutics):ゲノム編集で遺伝性疾患の根本治療を目指す

ヘルスケア・バイオ

アメリカ成長株:インテリア・セラピューティクス(Intellia Therapeutics)の概要

インテリア・セラピューティクス
Intellia Therapeutics Inc
ティッカーコード:NTLA
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/NTLA

ゲノム編集という言葉を最近よく耳にするようになりました。
この技術を使って肉厚な鯛や血圧を下げるトマトなどが実際に作られています。

ゲノムには生物の設計図である遺伝子が含まれていて、この情報を自由に書き換えることで思い通りに生物の形質を操る技術がゲノム編集です。

ゲノム編集によって農産物の生産性を上げたり気候変動や病害虫に強い品種を作ることができますが、従来の遺伝子組み換え食品と違って人が摂食しても害がなく安全とされています。

その根拠は、ゲノム編集による遺伝子の書き換えが品種改良や突然変異でも起こり得るもので単にこれを人為的に行うだけであり、別の生物の遺伝子をごっそり入れる遺伝子組み換えとは根本的に違うという点にあります。

ゲノム編集を可能にしているのが“クリスパー・キャスナイン”と呼ばれる遺伝子を切る“ハサミ”で、ゲノム上の狙った場所を切断できるという優れた特徴を持っています。クリスパー・キャスナインは、アメリカの女性研究者らによってバクテリアの免疫システムの中から発見されたもので、2020年にノーベル賞を受賞しています。

この便利なツールは病気の治療に使うことも可能で、今回紹介するインテリア・セラピューティクス社は末梢神経障害、心筋症、肝炎、貧血、血管性浮腫、血友病などの遺伝性疾患を対象としたクリスパー・キャスナインによる治療法の開発を進めています。

これらの疾患は、遺伝子の一部が変異して異常を引き起こしているのですが、ゲノム編集によって異常な遺伝子を働かなくなるようにしたり正常なものに置き換えたりすることで治療できます。

ゲノム編集を農作物の品種改良に使う場合は種や卵の段階で操作できますが、成長した人体の場合はそうはいきません。そこで

①クリスパー・キャスナインを人体の細胞内に直接入れる
②細胞を取り出して遺伝子操作した後に元に戻す

という2つの方法が使われます。

①の方法のために同社は“脂質ナノ粒子”というカプセルを開発し、この中にクリスパー・キャスナインを入れて人体の細胞内へ送り込むことを可能にしました。

脂質ナノ粒子は細胞内へ薬剤を届ける“ドラッグデリバリー”に利用されるもので、現在新型コロナウイルス感染症の予防のために世界中で接種されているメッセンジャーRNAワクチンもこの技術を利用しています。

修正した遺伝子の異常は二度と元には戻らないためゲノム編集は一度の治療で完治が期待できる究極の治療法であり、これに比べたらその他の治療薬は対症療法にすぎません。

先天的な遺伝子疾患は一生治らない不治の病でしたが、遺伝子を一度修正すれば済んでしまうゲノム編集による治療が普及すれば、将来的には生活習慣病のような後天的な病気よりもむしろ治療しやすい病になるかもしれません。

会社ウェブサイト
www.intelliatx.com

 

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