アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

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アメリカ成長株:テクニップFMC(TechnipFMC):油田サービス企業

エネルギー

アメリカ成長株:テクニップFMC(TechnipFMC)の概要

テクニップFMC
TechnipFMC plc
ティッカーコード:FTI
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/FTI/annual

テクニップFMC社は石油と天然ガスを探鉱・採掘・貯留するための機器とサービスを顧客に提供しています。
海底部門(Subsea)と表面部門(Surface)の2つのビジネスユニットを持ち、沖合の海底と浅瀬や地表での採掘を専門としています。

・海底部門
陸地から離れた沖合の新規海底油田を開発し掘削するための海底で使用する施設、機器、制御装置を設計・製造しています。
設計から資材調達、建造、設置までを一括して行うことでコスト削減、効率化、期間短縮を実現します。

無駄を減らすことは、資源採掘で問題となる二酸化炭素の排出も同時に削減します。
海の底にある複数の油田に井戸を掘り、そこからパイプラインを通して洋上に浮かぶプラットフォームに石油が送られますが、海中の機器は海水による腐食、圧力、物理的な破壊を受けるなど地表に比べて厳しい環境に晒されるため頻繁で入念なメンテナンスが必要です。

同社はパイプラインや海底機器のメンテナンス作業を行うROV(遠隔操作無人水中ロボット)の開発を進めていて、運用効率を上げオペレーターの作業を簡略化して時間とコストを節約します。

海底油田の開発は特に採掘コストが問題になるため、同社は徹底的なコストダウンに注力していますが、それでメンテナンスが疎かになり原油流出などの重大事故を引き起こしては意味がありません。

海底油田の原油流出はタンカー事故とは比較にならないほど環境に深刻なダメージを与える可能性があり、絶対に避けなければならずロボットの導入や操作の自動化はコストダウンとメンテナンスを両立させるのに欠かせません。

・表面部門
海中で培った掘削技術は浅瀬や地表の油田にも応用されています。
海中で必要となる無人遠隔操作システムは、地表においても事故の防止、人件費の削減、効率化に貢献します。

油田の採掘はメタンのような温暖化ガスの放出を伴うため、これをいかに抑えるかが課題となりますが、同社は抗口からパイプラインまでを統合して自動化することで無駄を無くすと同時に温室効果ガスの排出を最小限に抑えています。

AIによる機械学習を駆使したメンテナンスは予防的な保守を可能にしていて、重大な問題の発生を事前に回避するのに役立ちます。
これらのシステムは既存の地表の施設にも後付けで導入することもできます。

 

地球温暖化の原因が二酸化炭素の増加であると言われるようになり、近年化石燃料に対する風当たりははますます強くなっています。
その化石燃料を掘り出す技術を提供する同社ではありますが、最近は“温暖化ビジネス”にも進出しています。

2021年から他社との提携によって二酸化炭素を回収して海底の地下に貯留するプロジェクトに参加し、海上に浮かぶ風力・潮力・波力発電機で作った電気によって水を電気分解して水素を生産し、海底に貯蔵するソリューションを提供する予定です。

洋上風力発電は持続的に大きな風力を得られる点や周辺への騒音被害をなくせる点が陸地に比べて有利で、世界各地で設置が進んでいます。

これらの事業は同社の海底油田開発の海上・海底でのノウハウが活かされています。
最近のOPECは多少の供給不足では増産せず原油価格を高止まりさせる方針のようで、稼げるうちに稼いでおこうとしているとの見方もあります。

この状況は採掘コストが高い海底油田やシェールオイルには追い風となっていますが、いずれ化石燃料は排除されていく方向に向かうのは明らかです。
同社はこれまでに海底・海上での技術を磨いてきていて、将来脱炭素が進んだとしても油田開発から二酸化炭素の海底貯留、洋上風力発電、水素生産&貯蔵のような海上・海底の事業にうまく転換できると期待してもよいと思います。

 会社ウェブサイト
https://www.technipfmc.com

 

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