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アメリカ成長株:ファースト・アドバンテージ(First Advantage):採用時のバックグラウンドチェックを提供

IT

アメリカ成長株:ファースト・アドバンテージ(First Advantage)の概要

ファースト・アドバンテージ
First Advantage Corp
ティッカーコード:FA
上場市場:NASDAQ
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/FA

今回紹介するファースト・アドバンテージ社は「新規採用する社員のバックグランド・チェックを行う」事業をしています。

日本にも興信所があります。警察の調べによれば、日本には約5000もの興信所があるそうでが、その80%は個人経営の「探偵会社」と言われています。しかし、ファースト・アドバンテージ社の場合は、社員数も4000人を超え世界展開する大手企業です。

他の業界でも見られた「これまでアナログ産業がIT化によって一気に効率化し、事業規模も大型化する」が、興信所のようなビジネスにも入ってきました。個人のバックグラウンドを探偵が「足」で情報を集めるのではなく、膨大な情報データベースを駆使して、採用候補者のバックグランドをチェックします。

同社は2003年に設立され、その後大手ファンドであるシルバーレイク社からの投資を背景として、各種のバックグラウンドチェックのデータ会社を買収し2019年に現在の形態になっています。2021年6月に上場したばかりの会社ですが、既に3万社もの顧客を持つこの業界ではかなり大手の企業となります。

同社がクライアントに提供するデータは、以下のようなものです。
・出している書類の中身が本当なのか?
・必要である資格を本当に所有しているのか?
・犯罪歴がないか?
・問題となる行動がないか?
・問題となる思想・信条を持っていないか?
そしてその調査方法は、膨大な関連データベースを検索することで行われます。

また、採用候補者のSNSのチェックは、対象者の「本音と(職業人としてではなく)個人としての実像」をチェックするたに活用されています。
ソーシャルメディアでの書き込み内容から、候補者の信条、嗜好、性格さらに知的水準までチェックでします。薬物の利用がほのめかされたり、働いている会社の内部情報に触れたり、と言った明らかに問題がある事はもちろん、書かれている文章の内容から、知的水準もチャックしていきます。

また、同社のウェブサイトには、同社の提供する情報がいかに役立つかが説明されています。

さらに、「既存の社員も、バックグラウンドチェックしましょう」というメッセージも発信されています。オフィスや職場で「おふざけ」をSNSにあげるなどで、その会社にとてつもないダメージを与えたニュースが多くあります。新規採用時のみならず、既存の社員の裏をチェックすることも、確かに企業にとって重要です。

もちろんこういった事業内容は「個人情報」や「個人の信条の自由」という視点から議論を呼びます。しかし、少なくともこれまで急成長をしており、今後も急成長が予想される会社です。

コロナ下でも業績は安定しており、2020 年においても第二四半期こそ対前年同期比でマイナスだったものの、第三四半期以降はプラスとなりました。2021年に入ると成長は加速しており、2021年第二四半期の売上高は対前年同期比66.5%増加、修正EBITDAは77.5%増加となっています。

同社によれば、市場規模は130億ドル(1.4兆円)もあり、今後とも大きな成長余地があると見ています。売上の88%は北米ですが、最近になって海外展開をしており、既に日本にも進出しています。今後、日本の企業がファースト・アドバンテージ社のサービスを利用する機会も増えるのではと期待(懸念?)しています。

会社ウェブサイト
www.fadv.com

日本オフィスのウェブサイト
https://fadv.co.jp/

 

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