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アメリカ成長株:アプライド・セラピューテクス(Applied Therapeutics) 米国で初となるアルドール還元酵素阻害薬を開発

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アメリカ成長株:アプライド・セラピューテクス(Applied Therapeutics)の概要

アプライド・セラピューテクス
Applied Therapeutics Inc
ティッカーコード:APLT
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/APLT

我々が日々の食事から摂っている糖類は体内に吸収された後に代謝されて適切に処理されます。ところが何らかの原因で特定の糖が増えてしまうと“アルドース還元酵素”という酵素によって“ポリオール”という一種のアルコールに変換され、これが細胞に蓄積して悪影響を及ぼします。

このアルコールの蓄積は様々な疾病の原因となるため、アルドース還元酵素をブロックする阻害薬の開発が進められるようになりました。

同社は糖尿病とガラクトース血症の症状緩和のためのアルドース還元酵素阻害薬を開発しており、フェーズ1~3の三段階ある臨床実験で、糖尿病性心筋症のためのAT-001がフェーズ2、ガラクトース血症のためのAT-007がフェーズ1の段階にあります。

糖尿病の患者の体内では高い血糖値のために細胞内のグルコース(糖)の濃度が上昇し、これがアルドース還元酵素によってソルビトール(アルコール)になり、細胞に蓄積して心筋症や神経障害などの合併症を引き起こします。

ガラクトース血症の患者はガラクトース(糖)を代謝する酵素を生まれつき持っていないためにガラクトースが異常に増えてしまい、ガラクチトール(アルコール)が細胞に蓄積し、運動、言語、認知の障害、白内障、卵巣機能不全などを引き起こします。

ここで注意が必要なのは、ガラクトースは主に授乳や乳製品の摂取から来るものですが、ガラクトースは体内でも作られるためこれらの摂取を止めても治ることはありません。

アルドース還元酵素阻害薬は各社が開発を進めており、すでに商品化されているものもあって、小野薬品の“エパルレスタット”は糖尿病神経障害で生じる手足の先のしびれ・痛みの緩和に使用されます。ただし、アルドース還元酵素阻害薬は多くの副作用が報告されていて、先行のエパルレスタットも例外ではなく、今の所これを使用できるのは日本国内だけに限定されています。

医薬品には副作用がつきものであり、メリットとデメリットを天秤にかけてメリットが大きく上回れば使用する価値があると判断されるものです。そういう意味で、心筋症という命に関わる疾患を対象としている同社のAT-001の場合にはメリットの方が大きくなるため承認される可能性が高いのではないかと思います。

アルドース還元酵素阻害薬の開発は80年代から行われてきましたが、発売まで漕ぎ着けられたのは日本国内限定で使用されているエパルレスタットだけです。同社がこれに成功すれば米国では初となるアルドース還元酵素阻害薬となるため、構想から苦節40年、やっと実現するということになれば大いに注目を集めることになるでしょう。

会社ウェブサイト
www.appliedtherapeutics.com

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