アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

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アメリカ成長株市場の動き-2021-11-19

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アメリカ成長株

2021年11月19日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1587.38で終わりました。一週間前に比べて、49.88ポイントの大幅続落(-3.05%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-1.38%)やSP500(前週末比+0.32%)と比べても、かなり大きな負けとなっています。

しかし、アクティブ運用しているファンドは比較的傷が浅く堅調です。このサイトでも取り上げている、ドリーハウス社の米国小型成長株ファンド(日本のSBIグレート・スモールも運用)の米国国内籍ファンドは、わずか0.7%下落でした。

今年に入って、米国小型成長株インデックスと、小型成長株のアクティブ運用している(上手な)ファンドとの乖離が、非常に大きくなっています。

個別銘柄選択の優劣が、非常に大きな差が出やすい相場となっています。

<インフレと中国>
世界的にインフレ懸念が高くなっていますが、一方で欧州においてコロナ感染者の再急増が新たな問題となってきています。景気があまり良くないのにインフレは続くという、株式市場にとっては非常に良くない環境です。金融政策が、予想より早く引き締めに向かうリスクが出てきました。

一方、中国の問題はさらに複雑化しています。恒大問題は、経営者が個人資産を売却するなどして、何とか債務デフォルトを回避しています。しかし、不動産問題の本質は変わりません。インデックス全体は冴えない動きとなり、一段と個別銘柄主導の市場になりそうです。

<人権とスポーツ、北京オンピックとスポーツビジネス>
人権とスポーツの関係が、非常に難しい問題になってきています。

ウィグル・チベット・香港の人権問題で、北京オリンピックへの外交的ボイコットが議論され始めました。さらに、女子テニスの彭帥選手の問題が、一段と状況を不透明にしています。

NBCは「北京オリンピック中継のテレビ公告枠は完売」と発表しましたが、今後、「人権問題のある北京オリンピックのテレビ中継に公告を出す企業は問題では?」という議論が起きそうです。

NBA(アメリカのプロバスケットリーグ)に所属するトルコ人選手である、エネス・カンター選手が中国のチベット統治について、「習近平国家主席を残忍な独裁者」と表明した件もさらに発展しました。今週、「いつも米国内の人種差別などの人権問題に積極的に発言していた」ナイキやレブロン・ジェームス選手が「沈黙」していることに対して、「追加非難」をしています。「金が絡めば、人権はどうでもよいのか?モラルはないのか? “Money over Moral for the King” とツイッターしました。ちなみにKingはレブロン・ジェームズ選手の事です。

さらに今週、上記に加えて、「ケノーシャでの銃撃事件の裁判で、リッテンハウス被告に無罪判決」がありました。再びBLM活動も活発化してきます。

当たり前ですが、米国内の人種差別問題は「人権問題の一つ」で、人権の問題は普遍的です。しかし、多くの米国黒人スポーツ選手は、「国内問題」として人種差別を非難しています。一方で、黒人選手に最も依存しているNBAは、皮肉なことに最も中国から経済的恩恵を得ているスポーツリーグでもあります。

ケノーシャの無罪判決を問題にするならば、何故チベットやウィグルは無視できるのか?ダブルスタンダードではないのか?共和党議員やFOX等の保守派からの指摘も一段と厳しくなります。

IOCも、そしてオリンピック選手も矛盾に苦しみます。
東京オリンピックで、「人種差別反対のための膝を付ける抗議」をIOCは認めました。しかしこのことが「人権問題が発生している中国で、オリンピック開催してよいのか?」という、大きな矛盾を抱えこむことになりました。東京では抗議できて、北京オリンピックには抗議できないのか?と選手も矛盾に直面します。

整理すると
・アメリカ(やその他先進国)の人種差別に対して、民主党政権は(共和党に比べて)強硬に非難。BLM運動にも理解。ナイキやNBAは「人種差別を問題視すること」を積極的にサポートすることで、イメージ改善。IOCは東京オリンピックで「膝付き抗議」を許可。この抗議に共感する多くのオリンピック選手。・・・という綺麗なストーリーがありました。

・しかし一方で、中国の人権問題に対しては、人権問題を批判すると中国でのビジネスに悪影響(ナイキやNBA)し、さらに北京オリンピックが無事開催できない(IOC、オリンピック選手達)という、皮肉なストーリーも露呈してきました。

人権は「先進国、特に米国の国内問題」なのか?いや「世界的な問題」ではないのか?
うまく使い分けると、ダブルスタンダート・偽善と言われ、実直に理想主義を追えばビジネスが無くなり、選手もオリンピック出場できなくなる。

北京オリンピックまであと3ヶ月。いろいろありそうです。

<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2021年11月19日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1587.38/4697.96=33.79%
26週移動平均との乖離は-1.07%でした。

ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しましたが、再びこの歴史的なレンジに戻っています。

小型成長株は長期的に主要インデックスに勝っており、魅力的な投資機会を提供していると思っています。

→ 2019年6月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2021年10月末時点)

(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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